背景
微細・高度化が進む機械加工製品の品質管理のため、目視検査員の代替となりうる自動外観検査技術が求められています。この研究では、当センターに持ち込まれた対象物に対して自動外観検査の可能性を検証するためのシステムを開発しました。
成果
開発した自動外観検査システムは、図1に示す通り次の3つの要素から成ります。
・ビジョンセンサ:画像計測
・レーザー変位センサ:距離計測
・検査対象の姿勢変更用の多軸自動ステージ
図1では、検査対象としてチップソーを用いています。ここではレーザー変位センサにより図2の側面逃げ角、側面向心角を、またビジョンセンサにより先端傾き角等を計測します。
本システムを用いてチップソーの各部の計測を行いました。計測は、自動回転ステージで11.25 degの回転を32回繰り返し、チップソー1周分(チップ32個)行いました。
その結果、ビジョンセンサによる計測結果は各部の設計値(角度)と0.5°程度の誤差となり、またレーザー変位センサによる角度計測結果は1.5°程度の誤差となりました。
本研究により、自動外観検査を試行するのに適切なシステムを開発できました。

研究者からのコメント
本システムはブレッドボード(黒色の台)とねじで各部品を固定しており、組み立てや組み換えが容易かつ短時間で可能です。そのため、複数の試行を速やかに行うことができる特長があります。今後の技術支援に有効に活用します。