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金属部品の破面解析(フラクトグラフィ)

要旨


 金属製品の損傷原因は、設計、材質、使用環境、腐食、金属疲労などの多岐に渡ります。それらの原因を解明する方法の一つとして、破面に残された痕跡から破損過程を推察する方法があります。この方法は破面解析(フラクトグラフィ)と呼ばれ、詳細な観察が必要な場合には、走査型電子顕微鏡(SEM)を用います。
表に破断原因とSEMで観察される代表的な破面の特徴を示します。亀裂の進展速度や応力の負荷状態にもよりますが、特徴的な破面形状を見つけることによって、破断に至るまでの時間や原因を絞り込むことができます。本稿では、機械工具や農業用刃物として広く用いられている炭素工具鋼(SK鋼)の破面例を紹介します。

金属部品の破面解析01


炭素工具鋼(SK鋼)の焼割れ


 炭素工具鋼(SK鋼)は、焼入れ・焼もどし熱処理によって使用目的に応じた性質に調質されるため、その破面形態も様々です。写真(左)は、焼入れ時の内部応力が原因となって、き裂が生じるいわゆる「焼割れ」の破面です。粒界割れに分類され、粒界表面が平滑であることから、ほとんど塑性変形を伴わずに破壊したことが分かります。一方、写真(右)は粒界割れでありながら、表面が酸化物の層で覆われています。焼割れを生じたまま後の焼もどし工程で再加熱されたため、破面が酸化されています。

金属部品の破面解析02


研究者からのコメント


 SEMでは数百倍から数万倍の高倍率で破面を観察するため、観察部は清浄である必要があります。実際の破損部品は、破壊後の外力や腐食の影響を受け、本来の破面を残していないケースが多くあります。原因調査が必要な破損が生じた場合は、破面を素手で触らず、防錆剤を塗布するなどの保護をお勧めます。

金属部品の破面解析(フラクトグラフィ)
応用分野金属材料・金属加工
研究体制県単独研究
担当部所機械金属工業技術支援センター
担当者山口 篤
特許取得・成果発表神戸市機械金属工業会会報,Vol.17(2012)
TEL0794-82-0026
キーワード金属材料,破面解析,フラクトグラフィ