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光触媒防汚フィルム「ハイドラップ」用成分傾斜膜

背景、目的

 酸化チタン光触媒は、紫外線を吸収し、汚れを分解することができる機能性材料です。このため、酸化チタン光触媒微粒子を含むコーティング剤をプラスチックなどの基材にコーティングした光触媒フィルムは、防汚機能を有しており、セルフクリーニング材料として注目されています。
 宇部日東化成(株)では、プラスチック基材を用いる光触媒フィルムの耐久性向上のため、プラスチック基材と酸化チタン光触媒膜との間に有機成分と無機成分を含む“成分傾斜膜”を中間層として設ける技術の研究開発を行っています。
 この光触媒防汚フィルム「ハイドラップ」のさらなる高耐久化を実現すべく、共同研究を行いました。

成果、製品化状況

 当センターのX線光電子分光分析装置(XPS)によって、成分傾斜膜の構造解析を行いました。その結果をフィードバックし、宇部日東化成㈱において、成分傾斜膜の化学組成の最適化を行いました。それを基に、さらに、作製条件・プロセスなどの改良を行った結果、光触媒防汚フィルムの耐久性を向上させることができました。
 下図に、開発された光触媒防汚フィルム「ハイドラップ」とその構成モデルを示します。「ハイドラップ」はセルフクリーニング機能を有する透明ラミネートフィルムです。これを標識や看板などに貼りつけることで、その色あせや汚れの付着を防ぎ、きれいに保つことができます。


光触媒防汚フィルム「ハイドラップ」


「ハイドラップ」の構成モデル

開発年度 平成14〜15年度
事業、研究名 企業との共同研究
お問合せ先 宇部日東化成(株)
兵庫県立工業技術センター
石原 マリ、吉岡 秀樹、森 勝