研究/活用事例
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焦電型エネルギーハーベスティングに関する研究
本研究では、焦電型エネルギーハーベスティングの可能性を検討するため、鉛を含まない強誘電体であるBiFeO₃の厚膜を作製し、焦電特性の評価を行いました。従来の物理的成膜法に代えて、比較的簡便に大面積化できるゾルゲル法を用い、基板にはLaNiO₃/Pt/Ti/SiO₂/Si(100)を採用しました。その結果、膜はペロブスカイト型BiFeO₃として結晶化しましたが、一軸配向は得られませんでした。
焦電電流の測定では、標準試料LiTaO₃で温度変化に応じた電流が確認できましたが、作製したBiFeO₃薄膜では表面電荷を外部回路へ取り出すことができませんでした。顕微鏡観察により微細なクラックが多く存在することがわかり、薄膜の絶縁性が不十分であったことが原因と考えています。
今回、ゾルゲル法による薄膜形成は可能であることを確認しましたが、絶縁性向上のためには原料液組成や成膜プロセスの最適化が必要です。一方で、焦電電流測定を自動化した測定系を構築でき、作業性やノイズ低減の面で改善が見られました。(AIによる要約)
LaNiO3/Pt/Ti/SiO2/Si(100)基板上に作製したBiFeO3 膜のX線回折スペクトル
開発年度 | R6 |
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事業、研究名 | 経常研究 |
公開情報 | 研究報告書 | お問合せ先 |
泉宏和 |
研究報告書第34号、焦電効果、BiFeO2薄膜、ゾルゲル法、強誘電体、焦電電流測定、エネルギーハーベスティング、厚膜作製技術、絶縁性改善、基板材料(LaNiO3/Pt/Ti/SiO2/Si)、廃熱利用発電