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播磨国風土記編纂1300年記念酒 庭酒

新規取得麹菌と酵母を用いた記念酒

 播磨国風土記編纂1300年を記念して、播磨国風土記に「カビ(麹菌)を用いて造った酒」の記載がある神社・宍粟市 庭田神社より新規酒造用麹菌と酵母を分離し、これを用いて、風土記の時代を考慮した造り方にこだわった記念酒 庭酒(にわさけ、にわき)を開発しました。


『庭酒』

播磨国風土記と庭田神社

 播磨国風土記は、713~15年に成立したとされ、2013~15年は編纂1300年の記念年にあたります。そこで、播磨地方の4酒造組合で組織される「はりま酒文化ツーリズム協議会」より編纂1300年記念酒の開発依頼を受けました。
 播磨国風土記の宍禾郡庭音村の由来に「大神の御乾飯が濡れてカビが生えたので、酒を醸させ、庭酒(にわき)として献上させ、酒宴をした」との記述があり、これがカビを用いた酒、すなわち麹菌を用いる日本酒についての最古の記述であると言われています。そこで、庭音村(現:宍粟市庭田神社)より、酒造用麹菌と酵母を分離し、これを用いた酒を記念酒「庭酒」とすることとしました。

庭田神社より麹菌、酵母の分離

 宍粟市庭田神社から麹菌と酵母を分離するために、甘酒を神前にお供えしたものや境内の草木、土等を採取したものを菌株分離用培地に接種しました。麹菌は本殿前にお供えした甘酒より酒造用麹菌と似た色の菌株を分離し、これを(独)酒類総合研究所にて分析を依頼したところ、麹菌と同じグループの菌であることが確認されました。酵母はエタノール10%存在下でアルコール発酵を行うもののうち、現在よく使用されている酒造用酵母である協会酵母と性質が同じかどうか等で判断して分離したところ、拝殿前の榊の木の枝より協会酵母と同種属の酵母を取得できました。


庭田神社より分離された麹菌

造り方にこだわった記念酒「庭酒」

 記念酒「庭酒」は、播磨産米と水に、取得された麹菌、酵母を用いることで、原料全てが地元播磨産の酒であることを第一の特徴とし、また、風土記の時代を考慮した醸造方法にて製造しました。すなわち、精米歩合は飯米と同程度の約90%、酒母は乳酸発酵を行う生酛系酒母、醪は現代の三段仕込ではなく一段仕込で製造しました。このため現代の酒より酸味が多く、味に深みがあり、風土記の時代を感じさせる特徴のある味の酒となりました。

開発年度 平成25、26年度
事業、研究名 バイオ技術(重点領域研究)
お問合せ先 ■田中酒造場
Tel.079-236-0006
■株式会社本田商店
Tel.079-273-0151
■ヤヱガキ酒造株式会社
Tel.079-268-8080
■壺坂酒造株式会社
Tel.079-336-0010
■灘菊酒造株式会社
Tel.079-285-3111
■山陽盃酒造株式会社
Tel.0790-62-1010
■奥藤商事株式会社
Tel.0791-48-8005
■兵庫県立工業技術センター
材料・分析技術部 原田 知左子