活用事例集

HOME > 情報発信 > 活用事例集 > 熱可塑性エラストマー/液晶ポリマー複合材料

活用事例集一覧へ戻る

熱可塑性エラストマー/液晶ポリマー複合材料

開発の背景、目的

 熱可塑性エラストマーは加硫ゴムに比べてマテリアルリサイクル(使用済みの材料を溶かすなどして、もう一度製品に再生すること)に適していることから、環境にやさしい材料として注目されています。しかし、材料自体の強度等の特性が加硫ゴムに劣るため、使用できる用途が限られており、その使用用途を拡大するための技術開発が求められています。
 そこで、オレフィン系熱可塑性エラストマーに液晶ポリマーを複合化することによって新たな機能を付与することを試み、制振特性や摩擦特性に優れた複合材料を開発しました。

開発の結果、製品化情報

 オレフィン系熱可塑性エラストマーと液晶ポリマーの複合化において、適切な相溶化剤を添加して高せん断混練を行なうことにより、液晶ポリマーの分散性が良好な複合材料が得られました。この複合材料は射出成形で成形できることから、成形加工プロセスの省力化を図ることができます。また、成形時の材料流れの影響により複合材料中の液晶ポリマーがフィラメント状に分散し、しかも配向させることもできます。このため、複合材料は熱可塑性エラストマー単体や対照として用いた加硫ゴムに比べて損失係数や摩擦係数が2倍以上となり、制振特性や摩擦特性等に優れています。
 これらの特徴を活かし、新港化学工業㈱と深江化成㈱の協力により、射出成形による防振ゴムやすべり止めゴムキャップの試作を行いました。

開発年度 平成14年度 ~平成15年度
事業、研究名 中小企業技術開発産学官連携促進事業(国庫補助事業)
お問合せ先 神港化学工業㈱、深江化成㈱
兵庫県立工業技術センター
長谷 朝博、鷲家 洋彦、平瀬 龍二、松本 誠、
石原 マリ、森 勝、志方 徹、奥村 城次郎、西森 昭人