研究/活用事例
研究/活用事例一覧へ戻る
相転移温度近傍における電気/磁気双極子秩序の同時制御による新奇冷却素子の創製
本研究は、強誘電性かつ反強磁性を持つマルチフェロイクス物質BiFeO₃を用いて、電場による分極と磁気スピンの同時制御を可能とする新規冷却素子の創製を目指した。高品質薄膜作製には、成膜中に基板上へレーザー光を照射する「その場レーザー光援用照射」を採用し、基板温度を低く保ちながら良好な結晶性と優れた絶縁性・圧電特性を得ることに成功した。また、BiとFeの一部をLa・Alで置換することでキュリー温度・ネール温度を制御し、相転移温度近傍での分極と磁気スピンの相関を評価した結果、10%置換膜では分極反転に伴い磁気スピンもわずかに反転することを確認した。さらに、単結晶基板によるエピタキシャル歪の印加により自発分極が増大することも示され、微細組織構造が分極・磁気スピン秩序の相関に影響を及ぼす可能性が示唆された。これらの成果は、電場印加による効率的な冷却素子の実現に向けた基礎的知見を提供するものである。(AIによる要約)
種々の基板上に作製したBiFeO3膜のX線回折と圧電応答
開発年度 | R1、R2、R3、R4、R5 |
---|---|
事業、研究名 | 科研費 基盤研究(C) |
公開情報 | 研究報告書、KAKEN | お問合せ先 |
泉宏和 |
研究報告書第33号、BiFeO₃、マルチフェロイクス、強誘電体、反強磁性、電気熱量効果、新規冷却素子、高品質薄膜、レーザー光援用照射、元素置換、エピタキシャル歪、分極・磁気スピン秩序