活用事例集

HOME > センター紹介 > 活用事例集 > ケミカルシューズヒール強度測定用試作治具

活用事例集一覧へ戻る

ケミカルシューズヒール強度測定用試作治具

開発の背景、目的

 ケミカルシューズは甲皮、表底等さまざまな材料を組合せて製造されます。その中でも婦人靴用ヒール部材(以下、ヒール)は、デザインの面、及び体重を支える耐荷重の面からも重要な役割を果たしています。ヒール自体の単価は安価ですが、製靴に仕上がりヒールの折れなどのトラブルが発生した場合には、ヒールを製造したメーカーの責任が問われ、高額の賠償責任を負う可能性があります。現在、ヒール専用の測定機は市販されていますが、数十万回連続してヒールに衝撃を与え続ける方法ですので、1個あたり数時間以上が必要になります。ところが、婦人靴は流行に大きく左右され、デザインに応じてヒールの形状も多様になりますので、短時間で弱い製品だけでも抽出したいという要望があります。そこで、当センターの既存機器に評価用の試作治具を取り付け、メーカーの技術者等が実際に利用し、材料強度および目視による折れの状況を含めた検証を行いました。

開発の結果、製品化情報

 ヒール製造業の技術者とヒールの折れる現象について検討した結果、製靴に近い片側支持での評価が必要になりました。そこでヒール用金型製造企業の協力を得て、当センターの装置に合う仕様で回転型のバイスを利用した試作機を作成しました。これまでに販売実績のあるヒール、あるいは新製品を実測しながら、最適な測定条件を検討した後、仮運用した結果、クレーム品は材料強度が弱いことが明らかになりました。
 これまでの検証の結果、通常の歩行等で長期的に材料が疲労した場合の評価はできませんが、瞬間的に著しい力が加えられた場合の破損状況を短時間で明らかにすることが可能になりました。現在、ヒール製造関連業の方々に製造コストと材料強度のバランスを知る手段として、実験的に利用されています。


試作治具

開発年度 平成14年度
事業、研究名 企業との共同研究
お問合せ先 エスアンドエス㈱
鷲家洋彦