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サウンドサーボロボット

開発の背景、目的

 兵庫県南部地震を教訓に、救助者が被災する二次災害を防止するため、災害救助機器の必要性が認識されるようになりました。しかしながら、これらの災害発生頻度は極めて低いため、発生間隔の長期化とともに人々の防災に対する意識の低下を防ぐことは困難です。そのため、防災機器であっても、平常では日常生活に浸透する機器であることが望ましいです。
 サウンドサーボロボットは、阪神淡路大震災を契機に試作開発された音源探査システムを、災害発生時以外の日常生活においても玩具や福祉機器として利用されることを目的として改良したものです。

開発の結果、製品化情報

 サウンドサーボとは声など音のする方向に自動的にマイクを向ける機能です。我々人間は音や話し声のする方向に顔や耳を向けることができますが、これと同じです。試作の第1段階は、この装置を棒の先端に取り付けて隙間に挿入するものでした。しかし、これでは用途が非常に限定されるので利用の可能性が極めて低く、置き場所にも困ります。第2段階では、車輪で走行するものにしましたが、災害現場では路面が確保されません。
 そこで第3段階では四足歩行で移動可能なものにしました。これで災害現場において路面が確保されなくても移動できます。制御用のコンピュータボードや入出力ボード、パワーボードなどを全て自作して組み込み可能なものにしました。製作に必要な部品は安価で入手可能なものを使用することで製作費を抑え、製品化するときの価格面の障害を排除することができました。そして何よりも四足歩行にすることで生物に近くなり、人々に愛着を持たせることができます。そして、このロボットは人間の声のする方向を検知して顔を向けたり、歩み寄ったりしてくれます。さらに開発を進めれば、特定の人の声だけに反応するようにもでき、知能や通信機能を持たせることにより人とのコミュニケーションの輪をさらに広げることも可能です。

開発年度 平成10年度
事業、研究名 特定中小企業集積支援技術開発事業
お問合せ先 安東隆志