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繊維系産業廃棄物の再利用技術

開発の背景、目的

 繊維系産業廃棄物、特に繊維屑や故繊維はそのまま使用する方法も考案されていますが、それらの方法では廃棄物を大量に消費することは困難です。そこで、繊維系廃棄物をプラスチック等との複合材料に利用することから用途開拓し、大量消費可能なリサイクル技術を開発しました。プラスチックのみでは鋸を用いて切断加工や釘打ちをすることはできませんが、繊維屑との複合化によってそれらが可能となり、耐衝撃性に優れた材料が得られました。この複合材料の用途としては、パレットやガーデニング材、土木材料など考えられます。

開発の結果、製品化情報

 ポリエチレン樹脂は最大40%、ポリプロピレン樹脂では最大50%の 耳糸くず*) の複合化が可能です。今回試作したパレット3種類(写真1、2)は、通常の使用において強度に問題はありませんでした。また、木製パレットと比べて割れにくい事がわかりました。今回試作したパレットは、重量が20kgから30kgと木製パレットと比べてやや重いため、複合材料の軽量化にも取り組みました。その結果、比重が木材と同程度の複合体の試作にも成功しました。
*)耳糸くず・・・近年導入されている織機で織物をつくる時に、織物の端に出る不用な糸くず


写真1 使用試験中のパレット


写真2 試作した3種類のパレット

開発年度 平成14年度
事業、研究名 プロジェクト研究事業
お問合せ先 ■兵庫県立工業技術センター
中野 恵之、瀬川 芳孝、山口 幸一