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チューブ内面をコーティングできるプラズマ重合装置

開発の背景、目的

 プラズマ重合膜はピンホールがなく、耐熱性、耐薬品性に優れていることからプラスチック・ゴムおよび金属の保護膜など各種の材料に応用されます。また、ガスの種類を変えることにより親水性、はっ水性などを与えることができるため、プラスチックやゴムなどの表面改質にも応用されます。
 これまでに、板状、球面状など各種形状の材料表面にコーティングする装置は製造されています。しかし、プラズマがうまく回り込まないためチューブなどの内面にコーティングすることは困難でした。現在、医療用などでは、可塑剤の浸出防止などのためにチューブ内面にもコーティングすることが要求されています。そこで、新港精機㈱との共同研究により、細長いチューブなどの外面および内面にプラズマ重合膜をコーティングできる装置を開発しました。

開発の結果、製品化情報

 細長い形状物(チューブなど)の外面および内面をコーティングできる装置(図1)を開発しました。真空ポンプによって石英チャンバおよびチューブ内を別々に排気しながら、モノマーガスをチャンバ(外面成膜の場合)あるいはチューブ内(内面成膜の場合)に導入して、一定の圧力にコントロールします。電力印加した誘導方式電極(石英管外に配置している)を石英管の中心ラインに沿って上下に往復させながら、石英管内に配置している細長い形状物の外面あるいは内面にコーティングします。
 当センターでの分析結果をフィードバックし、企業で装置およびプロセスの改良を行いました。この結果、モノマーガスの種類によって、目的別の膜をコーティングすることが可能となりました。
 図2は内面に親水性のプラズマ重合膜をコーティングしたPP(ポリプロピレン)チューブ(長さ1200mm、内径6mm、外径8mm)の様子を示しています。


図1.細長い形状物(チューブ含)
成膜用プラズマ重合装置


図2.内面にプラズマ重合膜を
コーティングしたPPチューブ

開発年度 平成14~15年度
事業、研究名 企業との共同研究
お問合せ先 共同研究企業:神港精機㈱
兵庫県立工業技術センター
森 勝、泉 宏和、石原 マリ、吉岡 秀樹