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新規蒸留酒「グラッパー」

開発の背景、目的

 『グラッパー』とはブランデーの一種ですが、ワインを蒸留する一般的なブランデーとは異なり、ワイン醸造の際に生ずるぶどうの果の搾り残し部分を蒸留したものです。フランスでは『マール』と呼ばれ、樽に入れて貯蔵することが多いのでウイスキーのように着色していますが、イタリアでは樽で寝かせず出荷するため、無色透明です。ワインと同様、様々な生産地の個性豊なものが多く、現地では一般的に食前酒や食後のデザート酒として人気がありますが、国内では製造するメーカーが存在しないため知名度も低く、流通量もごく僅かです。
今回、この『グラッパー』の本格的な製造に取り組んでいた西山酒造場㈱に技術支援を行い、製品化に成功しました。

開発の結果、製品化情報

 グラッパーはぶどうの搾り粕を原料として用いるため、一般的なブランデーとは異なる製造管理が必要になりますが、国内で初めての本格的な製造となるため参考となる事例が無く、原料の保存方法から手探りの状況でした。特に最終の蒸留工程では、ワイン中にはごく少量しか存在しないオフフレーバー成分も多く含まれるため、これらが蒸留液に移行しないような精密蒸留を行う必要がありました。釜、コンデンサーの温度管理等の蒸留条件を詳しく検討した結果、国内初の本格的グラッパーを製品化することができました。


グラッパー

開発年度 平成15年度
事業、研究名 技術相談に基づく開発
お問合せ先 技術移転先企業:西山酒造場㈱
兵庫県立工業技術センター
井上 守正