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汎用三相誘導モータの高精度位置決め制御装置

背景、目的

 工場では高出力で安価な汎用三相モータが主に活用されています。この汎用三相モータは、長時間の連続運転が可能となるよう耐久性を高く作られています。ある役割を終えた後でも十分に動作することから、取り外した汎用三相モータを他の用途に使いたいというニーズがあります。しかし、汎用三相モータは連続的な運転や大まかな制御には向いていますが、サーボモータのような高精度な位置決めをするのは困難です。
そこで本研究では、汎用三相モータとそれをドライブする汎用インバータを対象として、高精度の位置決めを可能とする制御装置を開発しました。

成果、製品化状況

 制御を行うマイコン(偏差カウンタ)とアナログ処理回路の併用で高精度な制御を実現しました。

  1. 手動パルサーから任意の指令値を受けた偏差カウンタが、その指令値分の偏差を8 bitデジタル信号として出力
  2. このデジタル信号をD/A変換回路がアナログ電圧に変換
  3. アナログ処理回路はその電圧を受け、モータの負荷変動処理とハンチング防止処理を行い、汎用インバータにドライブ信号を出力
  4. モータがインバータの出力信号に応じて動作
  5. 偏差カウンタは、その動作をロータリーエンコーダから取得し、8bitデジタル出力を微調整することで、モータの精密な位置制御を実現

 この開発装置を用いることで、余っている汎用三相モータを簡単に他の用途に再利用することができます。また、既存の装置に組み込むことで、その装置の高機能化を実現できます。


試作した制御装置


ブロック図(汎用品を含む全体構成)

開発年度 平成16〜17年度
事業、研究名 企業との共同研究
お問合せ先 向陽機器株式会社
兵庫県立工業技術センター
中本 裕之