活用事例集

HOME > センター紹介 > 活用事例集 > 繊維廃棄物の利用方法(カタピラ織物の開発)

活用事例集一覧へ戻る

繊維廃棄物の利用方法(カタピラ織物の開発)

背景、目的

 播州織産地における先染織物生産量の約半分を製織する革新織機(無ひ織機)は、製織中によこ糸を保持しておく必要があるため、織機上の織物両端に仮の耳ができます。この耳糸は製織後は不必要であるため、製織と同時に切断され、捨て耳糸となり、産業廃棄物としての処分が問題となっています。特に、合成繊維を含むものは焼却することが困難であり、再生ワタにするにも、染色糸が混ざっているため、再生再利用は困難でした。
 これまで廃棄処分されていた捨て耳糸から織物用の糸として再生再利用する技術についての研究を行ってきました。その結果、撚糸技術を応用して再生した糸をカタピラ糸と称し、その糸を用いることにより、カタピラ織物として製品化する技術を開発しました。

成果、製品化状況

 捨て耳の回収・捨て耳糸の加工方法(カタピラ糸の製造)・カタピラ織物の製造方法等を確立しました。カタピラ糸および織物の製造技術の移転により企業で製造販売に至っています。カタピラ糸を利用した商品として、室内ブーツ、ぞうり、ショルダーバッグ、帽子、ペーパーホルダー、コースターなど、また、最近ブームとなりつつある手織り織機を用いた手芸において、カラフルでランダムな配色となるカタピラ糸が新しい素材として、学校、福祉施設などの教材に活用されている。


写真1 試作織物製品展示


商品2 カタピラ糸を使用した商品

開発年度 平成8年度から現在
事業、研究名 経常研究成果
お問合せ先 兵庫県立工業技術センター
竹内 茂樹