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フェライト磁石へのめっき法

背景、目的

 フェライト磁石は、低価格で成形の自由度も大きく、資源も豊富です。また、世界の永久磁石の生産重量の95%を占めています。しかし、フェライト磁石は、装飾性、耐食性に劣るため、これらの特性が改善可能な表面処理について検討しました。フェライト磁石は、導電性に乏しいため、導電化処理が必要になりますが、前処理方法などのめっきプロセスに関する詳細な研究報告は見当たりません。そこで、(株)姫路鍍金工業所との共同研究により、フェライト磁石上へ密着性に優れた電気ニッケルめっきを行う方法について検討しました。

成果、製品化状況

 フェライト磁石は、導電性に乏しいため、めっき前処理液、めっき前処理条件とめっき断面組織との関係、めっき液の管理方法およびコストについて検討しました。その結果、図1のようにフェライト磁石上へ密着性に優れたニッケルめっき皮膜の作製が可能となり、フェライト磁石の装飾性、耐食性の改善が図れました。図2に、めっきしたフェライト磁石(健康器具への適用例)を示します。また、このめっき法は、カメラセンサー部品および液晶用磁石へのめっきにも採用され、現在では㈱姫路鍍金工業所において、磁石へのめっき工程に使用されています。


図1. 電気ニッケルめっきしたフェライト磁石の断面


図2. めっきしたフェライト磁石(健康器具)

開発年度 平成8年度
事業、研究名 企業との共同研究
お問合せ先 (株)姫路鍍金工業所
兵庫県立工業技術センター
園田 司