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摩擦撹拌接合を用いたマグネシウム合金製医療器具及び大型部材

背景、目的

 マグネシウム合金は、実用金属の中で最も軽量で、強度が高いため、携帯電話やノートパソコンなどの電子機器に応用されています。今後、さらに省エネルギー化や地球環境への負荷の低減を図る目的で大量生産される家電製品や機械部品などへの応用が期待されております。しかし、マグネシウム合金を「ものづくり」に活用するためには、解決すべき技術課題があります。特に、「接合」は非常に難しいため、最優先して解決しなければならない問題です。そこで、マグネシウム合金の接合法を解決するため、最近アルミニウム合金の接合法として大きな成果を上げております「摩擦撹拌接合」を適用して接合技術の開発に取り組みました。

成果、製品化状況

 薄板のマグネシウム合金を摩擦撹拌接合によって接合し、母材と同等の強度でかつ変形が小さい接合法を開発しました。マグネシウム合金は、まだ需要が少なく幅広の板材が製造されないため、薄板を摩擦撹拌接合によって接合して大きな板材を製作しました。また、薄板を円形断面に曲げて接合することによって、任意直径のパイプの製作も行いました。さらに、高付加価値製品として医療器具に着目して、摩擦撹拌接合によって製作したパイプ部材を用いて、現在の製品(アルミニウム合金製)よりも軽量で使いやすいストレッチャーや担架を製作しました。
マグネシウム合金製大型の部材(板材、パイプ)については、さくらい工業において摩擦攪拌接合を用いた製作が
実用化されております。


大型の板材


大口径パイプ


担架用パイプ


ストレッチャー

開発年度 平成12年度〜14年度
事業、研究名 中小企業技術開発産学官連携促進事業(国庫補助事業)
お問合せ先 協力企業:大阪冨士工業(株)、金属技研(株)、さくらい工業(株)
兵庫県立工業技術センター
有年 雅敏、富田 友樹、森山 茂樹、福地 雄介、野崎 峰男、浜口 和也