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2段階作動方式リニア駆動装置の開発

超省エネ型電動式自動変速駆動方式を採用

 エネルギー効率が低く、圧縮機や制御回路などの付帯設備を要する空気圧式シリンダーに代わる、新しい駆動装置として、電動式で空気圧シリンダーよりも90%以上の省エネルギー化と小型化できる、安全な自動変速式のリニア駆動装置を産学官連携で共同開発しました。


2段階作動方式リニア駆動装置

開発の背景

 空気圧シリンダーは、低価格という利点がありますが、以下の欠点があるため、新しい駆動装置の開発が要望されています。

  1. エネルギー効率が低い。
  2. コンプレッサーなどの付帯設備が必要で、小型化しにくい。
  3. 汎用の空気圧シリンダーでは、加圧したとき所定の位置に保持するのが困難である。

ねじ機構による電動式変速駆動機構の開発

 本装置は、送りねじ軸上に直径が異なる「ねじ」と「ナット」を偏心させて、組み合わせたものです。負荷がない場合、「ナット」は固定したままの状態で、通常のねじ駆動と同様に移動します。しかし、所定の位置で負荷を検出した場合、下図に示すように「送りねじ」と「ナット」との直径差によって回転角度に差が生じるため、回転角度の差に相当する距離を減速しながら大きな力を発生しながら直線方向に移動します。


負荷を検出した場合の駆動状態

リフト装置等の各種製品への適用例

 本装置は、空気圧式シリンダーに比べて電力で比較すると、90%以上も省エネルギー化を図ることができ、地球環境に配慮したエコ製品に応用できます。また、家庭用100V電源をはじめ、自動車の電源(12V)からでも使用できます。また、付帯設備が不要なため、小型化できます。
 トラック用アウトリガー、介護用品、工場の生産ラインなどではクランプなどにも活用できます。下図は、重い荷物などを上下移動させるリフトへの適用事例です。


リフト装置への適用事例

開発年度 平成18、19年度
事業、研究名 ものづくり技術(共同研究)
平成18、19年度 戦略的基盤技術高度化支援事業
お問合せ先 ■有限会社サイエンティフィックテクノロジー
神戸市兵庫区和田山通1-2-25 
神戸市ものづくり復興工場D217A
Tel.078-652-4188 
Fax.078-652-4188
E-mail:scientific@hi-net.zaq.ne.jp
■兵庫県立工業技術センター
ものづくり開発部 有年 雅敏
技術支援部 阿部 剛