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新しい屋根材、淡路瓦「黒いぶし」のブランド化

近代建築にもマッチする、洗練された「黒」

 従来のいぶし工程に酸化、還元処理を適切に制御することにより、従来のいぶしとは異なる風合いの新しい瓦
ができました。傷が付きにくく、さらに低吸水率であることから寒冷地での凍害にも強い特徴があります。ブランド化のための品質基準を定めることで、淡路瓦の新しい屋根材としてPRを展開しています。


右:新しい「黒いぶし」 左:従来のいぶし瓦

なぜ「黒いぶし」は黒い?

 「甍(いらか)」は代表的な日本美のひとつです。その美しさはいぶし瓦に代表される粘土瓦によりもたらされています。淡路瓦は日本の三大瓦産地として美しいいぶし瓦を生産しております。このたびその瓦工程に酸化・還元処理を行うことで、従来にない洗練された「黒」の風合いを持つ「黒いぶし」瓦の生産を開始しました。
 いぶし瓦の風合いは薫化処理により瓦表面に生成する炭素膜によります。これに対して「黒いぶし」では酸化鉄(Fe3O4)が黒さの要因であることが分析の結果わかりました。


X線回折分析による瓦表面の構造解析

ブランド化に向けた取り組み

 ブランド化の基準の例として下記の通り提案しました。

黒さの基準 明度3.4以下
彩度 0
吸水率 5%以下

 「黒いぶし」は表面が酸化鉄で覆われているために表面硬度が高いため傷が付きにくい。また吸水率が5%程度と低いために、凍害による割れや白華に強く、寒冷地での施工も問題がありません。下記に城崎での施工例を示します。


黒いぶし瓦施工例:城崎駅前通り公園休憩所

開発年度 平成23年度
事業、研究名 材料技術(重点領域研究)
お問合せ先 ■淡路瓦工業組合
南あわじ市湊134
Tel.0799-38-0570 
Fax.0799-37-2030
http://www.a-kawara.jp
■兵庫県立工業技術センター
材料技術部 柏井 茂雄
環境・バイオ部 石原 嗣生