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加硫ゴム3Dプリンタの開発

 2012年頃から始まった3Dプリンタブームに伴い、様々な方式・材料の3Dプリンタが開発されてきました。材料として、ABS・ナイロン・アクリルなどの樹脂材料、金属材料が、最近ではセラミックス材料も実用化されています。柔らかな材料としてエラストマ、シリコンゴムなどが製品化されていますが、弾力性・耐屈曲性など機械的特性に優れた天然ゴム・合成ゴムのような加硫ゴムを材料とした3Dプリンタはこれまで存在しませんでした。平成26年度から取り組んだSIP(戦略的イノベーション創造プログラム)事業において、未加硫ゴムをノズルから吐出し、断面を描画、積層し造形、その後加硫処理により加硫ゴムの三次元造形物を得る世界初の加硫ゴム3Dプリンタを開発しました。


加硫ゴム3Dプリンタ

3Dプリンタの開発

 SIP事業「リアクティブ3Dプリンタによるテーラーメイドラバー製品の設計生産と社会経済的な価値共創に関する研究開発」では、ユーザーごとに形状や素材を変えるテーラーメイドシューズを実現するため、ソール素材用3Dプリンタの開発を進めました。
 開発した加硫ゴム用3Dプリンタは、超小型ゴム押出機をプリント用ヘッドとし、XYZテーブルを制御することにより、断面を描画・積層させ、三次元形状を造形します。
また、造形用のゴム材料として粘着性を制御し、造形後の常圧加硫処理でも発泡しにくい、3Dプリンタ用のゴム材料も開発しました。


加硫ゴム3Dプリンタの造形原理

価値共創プラットフォーム

 開発した加硫ゴム3Dプリンタは、当工業技術センターに開設している「価値共創プラットフォーム」に設置しており、シューズだけでなく、企業の皆様の要望に応じて、パッキンや防振材など様々なゴム製品への活用を目指していきます。


加硫ゴムの造形事例

開発年度
事業、研究名 3Dプリンタ技術
公開情報 特許 第6323823号 未加硫ゴム組成物を造形原料とする三次元造形用プリンタ
特開 2019-019324 熱溶解積層法による三次元造形プリンタ用の未加硫ゴム組成物、未加硫ゴム組成物を造形原料とする三次元造形物の製造方法
お問合せ先 ■株式会社神戸工業試験場
〒675-0155 
加古郡播磨町新島47番13
Tel.079-435-5010 
Fax.079-435-5335
https://www.kmtl.co.jp/
■シバタ工業株式会社
〒674-0082 
明石市魚住町中尾1058
Tel.078-946-1515 
Fax.078-946-0523
https://www.sbt.co.jp/
■天満サブ化工株式会社
〒536-0001 
大阪府大阪市城東区古市1丁目21番27号
Tel.06-6932-1332 
Fax.06-6932-1333
http://tenmasub.co.jp/
■兵庫県立工業技術センター
材料・分析技術部 兼吉 高宏、長谷 朝博

3Dプリンタ、加硫ゴム、天然ゴム、合成ゴム