活用事例集

HOME > センター紹介 > 活用事例集 > 樹脂3Dプリンタの鋳出し文字への活用事例

活用事例集一覧へ戻る

樹脂3Dプリンタの鋳出し文字への活用事例

 鋳物製品には、品質管理や製造責任表示のための年月日や製造番号を表示しています。これらの記号に変更があると、木型や金型の記号部分だけを変更させる必要があります。従来は金属のブロックを用いていましたが、その都度切削加工が必要であり、特に形状等が複雑な場合は、コスト・作業負荷の増大が問題となってきます。そこで樹脂3Dプリンタを活用することにより、形状の複雑さに依存せず、複数形状一括製造を可能にした新しい鋳出し文字製造方法を開発しました。


開発した3Dプリンタ製鋳出し文字

樹脂3Dプリンタによる鋳出し文字の開発

 鋳出し文字は、3D-CADや3Dスキャナ等による3Dデータがあれば自由な形状を3Dプリンタで作製できます。また、異なる形状であっても造形サイズ内に入れば、複数種類、複数個を一括で作製できます。これらの特徴を活かすとともに、さらに鋳出し文字内部にネジ穴を設置することにより、取替作業を大幅に効率化させることができました。
 鋳出し文字は、木型・金型として砂型製造に用いられ、表面が鋳物砂と接触するため、耐摩耗性が必要となりますが、樹脂材料であっても10,000ショット以上の砂型製造でも問題なく適用可能であることを実証しました。


鋳出し文字取替作業の模式図

商品化

 開発された鋳出し文字は、「RAM Block(Rapid(高速)And Mold(型)のblock)」として商品化されています【ひょうごNo.1ものづくり大賞 特別賞受賞】。
 主な特徴(メリット)は、以下のようになります。

  • 複雑・自由形状に柔軟に対応
    3D-CADや3Dスキャナによるデータ化ができれば、どのような形状にも対応できます。
  • 多品種少ロット生産に対応
    形状が異なっても複数個を一括で製造できます。
  • 取替作業の効率化
    ブロック内部のネジ穴を使いボルトで一気に取り出すことができ、容易に取替作業ができます。


鋳出し文字事例

開発年度
事業、研究名 3Dプリンタ技術
公開情報 実用新案 第3214211号 鋳出し文字型部
お問合せ先 ■有限会社相互製作所
〒671-1133 
姫路市大津区吉美646
Tel.079-272-4670 
Fax.079-274-0535
https://www.sougoworks.com/
■兵庫県立工業技術センター
材料・分析技術部 兼吉 高宏

3Dプリンタ、鋳造、鋳物、鋳出し文字