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掃除機の使いやすさ評価

 新しく開発された「コードレスキャニスター掃除機」について使いやすさの評価を行いました。「開発した掃除機」と「従来型の掃除機」それぞれ使用中の身体負荷を計測して比較しました。筋負担計測や動作解析、主観評価によるユーザビリティ評価を行った結果、「階段掃除時の腕の筋肉への負担軽減」や「掃除の移動距離の短縮」等がこれまでの掃除機よりも優れていることを数値化できました。


評価後に商品化された掃除機
(コードレスキャニスター掃除機)

はじめに

 これまでの掃除機は、「電源コードの煩わしさ」や「掃除時の本体の重さ」の問題がありました。そこでシャープ(株)では、コードレス化と軽量化による新しい掃除機(コードレスキャニスター掃除機)を開発することになりました。新しく開発した掃除機の使いやすさを評価・検証するため、工業技術センターと共同でユーザビリティ評価を実施しました。

評価内容と結果

 新しく開発した掃除機(B)と従来の掃除機(A,C)(図1)を被験者が掃除している時の表面筋電計測(図2)と動作計測、各掃除機に対する主観評価を実施しました。表面筋電計測の結果、階段掃除時の腕の筋肉への負担が「A:電源コード付きキャニスター掃除機」よりも11%、「C:コードレススティック掃除機」よりも20%軽くなっていることが実証されました(図3)。動作計測の結果、「移動距離」、「タスク完了時間の短縮」が従来の掃除機に比べて優位であることを確認しました。主観評価だけでなく、以上のように、開発した掃除機が従来の掃除機よりも使いやすくなっていることを数値化することができました。


図1 比較した掃除機(3種類)


図2 表面筋電の計測


図3 階段を掃除した時の腕の筋負担比較

 このコードレスキャニスター掃除機は日本人間工学会の平成30年度人間工学グッドプラクティス賞において最優秀賞を受賞しています。

開発年度
事業、研究名 ユーザビリティ評価
お問合せ先 ■シャープ株式会社
〒581-8585 
大阪府八尾市北亀井町3-1-72
Tel.050-5434-2980
https://jp.sharp/
■兵庫県立工業技術センター
生産技術部 平田 一郎

ユーザビリティ評価、モーションキャプチャ、筋電図、掃除機